
NIKE DUNK Present, past and future -1-
以前、DUNKについて書いた「NIKE DUNKの変遷」ではオリジナルから現在まで年代を追って行きましたが、今回はその逆…現在から数年間を遡って(多分、現在と過去を行ったり来たりします)NIKE DUNKを取り巻く今の状況と未来を考えてみたいと思います(考えてを分析に置き換えようと思いましたが、分析ってなんか偉そうなので…やはり『考えて』に落ち着きましたw)。
尚、コラムテーマである「NIKE DUNK Present, past and future」は1話完結のシリーズとなり…今後も別テーマのコラムと並行して続きますので、宜しくお願いいたします。
NIKE SB DUNK LOW PRO BQ6817 008
ACGカラー

NIKE SB DUNK HIGH PRO ISO CI2692 400
DORAEMONカラー

■NIKE SB DUNK LOW 突然のゲリラ販売!
2020年9月10日にACGカラーのNIKE SB DUNK LOW PROがNIKE SB正規取扱店の一部で…ウェブ上及び店頭においても一切の告知がない状況で極少数が発売されました。
それを受けて…翌日にも再び出るのではないかと予測したスニーカーファンが各NIKE SB正規店の店頭に集まるという事態が起こりました。
そして11日に突如発売されたのはACGカラーやDORAEMONカラーと同様にインラインでラインナップされながら東京オリンピックの延期や新型コロナウイルスのパンデミック他の諸事情により日本国内での発売がドロップしたシカゴカラーだったのでSNS上は騒然(大袈裟かな?w)となりました。
その販売方法は取扱店によって異なりました。ウェブ通販あるいは通常店頭(入店順)販売、もしくはその両方で…SNSでゲリラ販売の情報が拡散されると瞬く間に完売したのは言うまでもありません。
特にウェブ通販の場合は47都道府県全てからアクセスがあるわけですから瞬時に売り切れるのは必定です。
例えば、あるお店に100足の入荷があったとします。その全てをウェブ通販に割り当てたとします。そこに47都道府県からアクセスがあり、もし各都道府県に均等に割り振られたとしたら1つの県(都道府)に約2.1足ずつしかない計算になります。
さらに店舗によってウェブ通販開始に時差があった為、受付スタートが遅かった店舗は事前告知がなくても他店の販売実施が告知と同じ役割となり、ゲリラ販売といえどあっという間に完売になってしまったわけです。
NIKE SB DUNK LOW PRO BQ6817 600 CHICAGOカラー

今回のゲリラ販売は賛否両論分かれている様ですが…考えてみれば社会現象になったハイテクスニーカーブームの頃は告知なしの発売なんて当たり前で、それが普通というか…そもそもゲリラ販売なんて言葉自体がなかったはずです。
いつ何処で何が発売されるか分からないから、夏の猛暑日も冬の寒風吹き荒ぶ日もスニーカーファンは足を棒にして日々複数の店舗を巡回。そうして店員さん達とコミュニケーションを取り、情報を集めていました。今と違い携帯電話は普及し始めたばかり。ウェブもデスクトップパソコンに向かう必要があり、BBS(掲示板)が唯一の情報交換の場だった時代。それを昔の事だからの一言で片付けてしまうのは簡単ですが、情報収集の基本はそこにあるわけで、今はとても恵まれた環境である事を改めて実感しました。
そして、先にも書いた通りDORAEMONカラーもACGカラーもシガゴカラーも一旦は国内発売中止となったものを、ナイキジャパンが何とかして日本のユーザーに届けたいという一念から今回の緊急発売に至った事は状況を観察していれば想像出来ることで…NIKE DUNK好きとしては感謝こそすれ、販売方法に意を唱えるのは発売日時や取扱店舗が事前公表されることに馴れてしまっている贅沢な環境がもたらす心理なのだと思います。とはいっても、気がついた時には完売してしまっている現実を突きつけられた時は、なんともやるせなさを感じるのも確かです。
あと見過ごしがちですが、NIKE SBに限らず縫製に目立った不備があったり箱にダメージがあった場合は販売せずにメーカーに返品するお店が少なくありません。縫製の不備は仕方ないにしても、箱の傷や角の凹みにまで拘り過ぎると結果的に実売数を減らし、購入のチャンスを目減りさせる事に繋がるので考えものなんですよねぇ。
尚、今回のゲリラ販売は異例なので、今後はこれまで通り事前告知ありの販売方法が続きます。
2020年発売の NIKE SB DUNK LOW PROの一部

ところで日本国内に限った事かも知れませんが…2002年のNIKE DUNK SBの登場によってユーザーの目がレギュラーのNIKE DUNKからDUNK SBに移り、同時にカラーバリエーション乱発が仇となってレギュラーのNIKE DUNKの人気が一気に下降線を辿ったという過去があります。
今回はその逆で、DUNK SBの人気再燃につられてレギュラーのNIKE DUNKにも注目が集まっています。
時の流れというか、ユーザーの入れ替わりは過去とは違う結果をもたらすことがあるので、とても興味深く面白いなと思います。
余談ですが、新しいスニーカーファンの中には気づかれていない人もいると思いますが…2011年頃よりNIKE DUNK SBは仕様変更(マイナーチェンジ)されています。下の画像をご覧ください。
アウトソールパターンがよりスケートボードに適したパターンに変更されて、加えてチップ(トゥガード)とアイステイのレイヤー(画像○で囲った)部分が上下逆になっています。

NEXT:NIKE DUNK HIGH 紺黄(ミシガン)歴代復刻モデルの比較画像(仮)